今日は此の方シンデレラボーイと言われた、西城正三


ロハス 兄・ゴメス ピメンテル スチーブンス
クロフォード1 クロフォード2 弟・ゴメス

試合前の西城

ラウル・ロハス×西城正三
昭和43年9月27日 WBA フェザー級
アメリカにて、WBA フェザー級チャンピオンに挑戦. 判定15回西城
関 光徳が懸命にフェザー級のサルディバルに挑戦して居る時無名の
西城が単身武者修行にアメリカに渡ってチャンスをねらって居た。
そこにビックチャンスが西城に転がり込み武者修行中に挑戦日本人は
外国では勝てないのジンクスを彼は破り見事チャンピオンにこの時の
関 光徳の心境は如何に、何回挑戦しても届かない関に対してベルトを
手にシンデレラボーイと騒がれて凱旋した。持ち前の端正なマスクが売
り物でファンを集め国民の期待を一気に背負った。

西城は終始、左右のストレートを有効に使っ

西城 正三×ペドロ・ゴメス
昭和44年2月9日. WBA フェザー級
東京・日本武道館 . 判定 15回 西城 正三
”シンデレラ・ボーイ”西城は、全く新しいボクサー像を生み出した。
それまで日本人は、海外での世界戦8戦全敗、原田も海老原も勝て
なかった。
それを、無名の21歳の青年が、あっさり覆したのだ。外国
コンプレックスから開放された明るさ、長い脚、傷一つ無いハンサム
な マスク、西城は藤猛とは違った意味で、「昭和元禄」の世を象徴し
て居た。「カッコイイ」と言う形容詞が、彼ほど似合ったボクサーは居
ない。この夜、日本武道館に詰め掛けた観衆は、1万2000。女性
ファンの姿も多く、西城人気を物語る。挑戦者は世界一位で、
”ベネズエラの猛牛”と呼ばれるゴメス。3年前、南米遠征中の小林
をKOしたこともある強打者だ。しかし西城は、勇敢で華麗なボクシン
グを披露する。”猛牛”の突進を闘牛士の様にかわし、左右のストレ
ートを突き刺す。ラウンドのゴング直前にラッシュしてポイントを奪う
稲妻”攻撃も冴え渡り、文句無しの判定勝ちをおさめた。西城時代
の幕開けだった。

2回西城の左フックで勝負は決まった


西城 正三×ホセ・ルイス・ピメンテル
昭和44年9月7日 WBA フェザー級
北海道 ・ 札幌中島 SC .2回 KO . 西城正三
西城の強さが際立った一戦である。メキシコ出身の挑戦者とは、過去
に2度顔を合わせて1勝1敗。ロサンゼルスの修業時代には、同じジム
で練習した友人同士でもあった。だが勝負は、非情な迄に明暗を分け
た。ベストコンディションの王者は、1ラウンド早くも右クロスを決めて、ピ
メンテルをぐらつかせ、2ラウンドなかば、痛烈な左フックでとどめを刺す
鼻血にまみれたピメンテルは、横すわりのような格好で、呆然とテン・
カウントを聞いた。西城のベスト・ファイトの一つと言って良い。持ち前の
スピードに力強さをも加えた西城は、無敵王者への道を歩み出した感
がある。3階級制覇を狙うファイティング原田との対戦が実現することを
ファンは切望した。

「KOと騒がれ、力んでしまった」と西城


西城 正三×ゴドフリー・スチーブンス
昭和45年2月8日 . WBA フェザー級
東京 ・ 日本武道館 . 判定 15回 . 西城正三
「第1ラウンドの最初のゴングが鳴った時、西城は、友達に呼ばれた
様にすらっとした表情でふりむいて、風の吹いて居る校庭へ出てゆく
様に、リングの中央へ進み出ていった」。三島由紀夫、そう書いて居る
西城と言うボクサーを、此れほど見事に言い尽くした文章を知らないこ
の第1ラウンドから王者は、南米チリ出身の挑戦者を力で捻じ伏せよう
と迫る。だが、KOしようという意識が先にたち、パンチは大振りを繰り
返し、結局タフなスチーブンスを打ち崩せず、最終回、右フックでスリッ
プ気味のダウンを奪っただけに終わった。この9ヶ月後、西城を絶賛し
た三島は、衝撃的な割腹自殺を遂げて居る。

西城は初回ダウンからよく立ち直った


西城 正三×フランキー・クロフォード
昭和45年7月5日 . WBA フェザー級
宮崎 ・宮崎県 SC . 判定 15回 西城正三
1ラウンド早々、思いがけない事が起きた。自信満々で出ていった西
城の顎に、チャレジャーの左フックがクリーン・ヒット、弾き飛ばされる
様に王者がダウンしたのだ。左ききをオーソドックス・スタイルに変えた
というクロフォードのベスト・パンチだ。「物凄いパンチだった。最後まで
恐怖心が付き纏った」という西城は、だが漸く中盤から反撃。10回に
は左フックからの連打で、アメリカ人の挑戦者をぐらつかせる。クロフォ
ードは、あまりにも一発を狙い過ぎ、今一歩のところで大魚を逸した。

西城は鼻血を出しながらピンチを乗り切った


西城 正三×フランキー・クロフォード
昭和46年2月28日 . WBA フェザー級
栃木 ・ 栃木体育館 . 判定 15回 西城正三
前年夏の対戦で不覚のダウンを喫した西城は、雪辱に燃えて居た。
初回、左ストレートからの右クロスで挑戦者をぐらつかせ、9回にもラッ
シュを敢行してポイント差を広げる。ところが、10回を境に攻守は逆転
減量苦から急にスロー・ダウンした西城にクロフォードの左強打が決ま
り出す。14回、西城は鼻血を出し、グロッキーに陥るが、前半の貯金
で辛うじて逃げ切った。あれほど華やかな輝きに包まれて居た西城に
も、落日は急ぎ足で迫りつつあった。

シンデレラボーイ西城が4度もマット


西城正三×アントニオ・ゴメス
昭和46年9月2日. WBA フェザー級
東京 ・ 東京体育館 . 5回 KO アントニオ・ゴメス
西城も、壮絶な討ち死にをした。ゴメスは、西城が初防衛戦で破った
ペドロの実弟。素質、実力とも兄をはるかに上回るという前評判で王者
苦戦が予想された。ヤマ場は、第3ラウンドに訪れた。接近戦での左
右フックで、王者もろくもダウン。だが、立ち上がった西城は、死にもの
ぐるいの反撃に出る。相手のカウンターを恐れず猛ラッシュ。場内は大
歓声に包まれたが、此れが西城が見せた最後の輝きだった。5回、
挑戦者は狙いすました様な右クロスでダウンを奪うと、左右の強打で
西城を立て続けに倒しKO勝ち。評判通りの強さで、兄の雪辱を果たし
た、此の侭無敗の王者になるかと思われたが、1年足らずでタイトルを
失った。西城は此れを機に引退、後年キックボクサーになったが成功
はしなかった。

西城の試合は見ていて手に汗をかいて、無心に応援したものです、あ
の凄まじさ、見る者を魅了する。迫力・・・此れは本当に真剣に自分の
持って居る力を出し切る。階級がJrが無い時代、15回の時代本当に
大変の事と何時も今の世界戦を見るたびに思う。だってこの試合の様
な、死にものぐるいの試合が有りますか・・今は無いね。
先日の辰吉の試合なんか・・・スーパースター?可笑しいのでは、ガード
せず何時ものスタイル、何時かは必ず倒されると思って見ていたらあの
負けざま・・試合前に偉そうな事を言って「金、名誉なんかいらない試合
に勝つことどうしても、勝ちたい」・・何でその人があんな試合をするの
もう何れにしても、再起はしてもあの癖がなくなら無ければ続かない。
本当に西城のこの試合を何回見ても壮絶としか言えない・・時々テレビ
に出ますが、今はオークラボクシングクラブの会長で頑張っております。

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