R・アルレドンド此の方が一番日本人との試合が多いかな、沼田から
タイトルを奪取して柴田に奪還されて日本人は、彼の顔を憶えた。

柴田にタイトルを取られ此れが最後となる

小林弘 沼田義明 岡部進 アポロ嘉男 柏葉守人 柴田国明

小林の右フックがアルレドンドの顔面に


小林 弘×リカルド・アルレドンド
昭和46年3月4日. WBA Jr ライト級
東京 ・日大講堂 .判定 15回 .小林 弘
メキシカンの挑戦者は、のちの浜田剛史にTKO勝ちして世界王者を
奪還したレネ・アルレドンドの実兄。この時まで26連勝中で、「最強の
挑戦者」と言うふれこみだった。流石に長身からの左ジャブは正確で
伸びがあり、小林は度々出鼻をくじかれる。だが「ずるさ」で上回る
王者は、ラフなインファイトに持ち込み、若いアルレドンドの端正なアウ
トボクシングを崩してゆく。14回のピンチを乗り越えた小林は、6連続
防衛を成し遂げ、日本記録を更新した。

10回あっけなく沼田が1度目のダウン


沼田 義明×リカルド・アルレドンド
昭和46年10月10日 WBC Jr ライト級
宮城 ・宮城県 SC . 10回 KO . リカルド・アルレドンド
小林・西城に続いて沼田迄敗れ、”ボクシング王国”は音をたてて崩
壊した。挑戦者のアルレドンドは、7ヶ月前小林に挑み、善戦したが判
定負けしている。その後6連続KOと好調の挑戦者は、確かにパワー
が付き攻撃に幅が出てきた。特にボディへのアッパーが効果的で王
者のスタミナを徐々に奪ってゆく。前回、前々回と凡戦でファンを失望
させて居る沼田は、積極的に攻めるのだが、力み過ぎ、そして突然、
破局が訪れる。10回、急に動きの鈍った王者の顔面を、挑戦者の
ワン・ツーとアッパーがとらえると、沼田はあっけなくダウン。立ち上が
った沼田は、ロハスを逆転KOした夢よ再びと、渾身の右アッパーを連
発するが、冷静にかわされ、左右の連打を浴び大の字に倒れた。
此れで日本は、僅か2ヶ月半の間に3人の世界王者を失った。

アokabeルレドンドは力の差を見せ付けた


リカルド・アルレドンド×岡部 進
昭和47年9月15日 . WBC Jr ライト級
東京 ・ 日大講堂 . 12回 KO リカルド・アルレドンド
アルレドンドの楽勝だった、岡部は”藤 猛 二世” ”ポパイ”と呼ばれる
新鋭だが、この試合の前哨戦でKOされ初黒星を喫して居る。岡部の
挑戦資格そのものに疑問が投げかけられたが、試合は続行された。
KO負けで自信を無くして居る岡部は、自慢の強打も出ず、アルレドンド
にいいように弄ばれる。最後はボディへのアッパーで大の字になったが
ダメージの蓄積で倒れたようなものだった。無謀な挑戦は、結果的に
一人のホープを潰して仕舞う事になる。

動きの鈍ったアポロは左右フックを浴び


リカルド・アルレドンド× アポロ 嘉男
昭和48年3月6日 . WBC Jrライト級
福岡 ・九州記念体育館 . 判定 15回 .リカルド・アルレドンド
アポロは前年、不敗の岡部進をKOする番狂わせで世界ランク入り
した関西の雄。リングネームは、人類初の月面着陸を成功させた米国
のアポロ計画からのものだ。しかし日本のアポロは、目的の金星に手
が届く前に失速して仕舞う。前半タイミング良い左右フックでポイントを
あげながら、飛ばしすぎがたたり、スタミナをなくしての判定負け。コン
ディション調整に失敗したプレイボーイのチャンピオンにつけこむことが
出来なかった。

強烈なボディブローに柏葉ダウン


リカルド・アルレドンド×柏葉 守人
昭和48年9月1日 . WBC Jrライト級
東京 ・ 日本武道館 .6回 KO リカルド・アルレドンド
この試合の前に行われた日本初のヘビー級タイトルマッチで、チャン
ピオンのジョージ・フォアマンは、挑戦者を僅か2分で片づけ、圧倒的な
強さを見せ付けた。戦慄のKO劇の余韻も覚めやらぬリング上で、柏葉
は好調なスタートを切った。左右フック、アッパーで、王者の顔を紅潮さ
せる、3回には、明らかにポイントを奪った。しかしキャリア82戦のアル
レドンドは、流石に老獪。攻め疲れの出た挑戦者のボディーに攻撃を
集中。6回、ボディー・ブローで柏葉をロープ外に叩き出し、レフリー・ス
トップを呼び込んだ。”和製クレイ”等と言われ「6回KO」を予言した柏葉
は、皮肉にもその回に命運を絶たれた。

足の故障にも拘わらず、柴田は良い動


リカルド・アルレドンド×柴田 国明
昭和49年2月28日 . WBC Jrライト級
東京 ・ 日大講堂 . 判定 15回 柴田 国明
柴田は前年10月、ハワイで宿敵ビラフロアにWBAのタイトルを奪い返
されて居る。今回はWBCに照準を定めて挑戦。王者アルレドンドは、
沼田義明からタイトルを取った後、何れも力不足の日本人チャレンジャ
ー達を寄せ付けず、日本を格好のマーケットにしている。それだけに実
力者、柴田に寄せるファンの期待は大きかった。ところが柴田はゴング
開始直後、とんでもないアクシデントに見舞われる。ウオーミングアッ
プのつもりで右足首を廻した時、捻って捻挫して仕舞ったのだ。しかし
此れがかえって幸いした。柴田は上体の動きを多用して、王者の左を
はずし、左右フックをカウンター。深追いして、ウィーク・ポイントの顎を
叩かれる危険を避ける。着実にポイントを積み重ねた柴田は、3対0の
判定で快勝。日本人として初めて3度世界の頂点を極めた。尚アルレ
ドンドは、浜田剛史から王座を奪還したレネの実兄。87年夏の世界戦
でセコンドに付き、試合後、弟と抱き合って涙を流す姿が印象的だった

リカルド・アルレドンド 此の方程我々の脳裏に残った・・・憶えて仕舞
った沢山の日本人が彼に挑戦しては、敗れていった。それを柴田がス
トップしたのである。

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