今日は此の方を紹介しましょう |
キングピッチ1・キングピッチ2・ アカバロ・ セベリノ ・ ビラカンポ |
海老原選手は、ファイティング原田、青木勝利の三羽烏の一人で 新人王戦でお互いにライバルとして日本を代表する。好選手である 三人三様の特徴を持って頂点に登りつめた。海老原はカミソリパン チと言われスピード有る左ストレートの強打で相手をマットに沈めて 国民の期待を集めた。しかしあまりの強打で拳を傷め好調の波に 乗り切れない侭ボクシング人生を、終わった。 |
ポーン・キングピッチ×
海老原博幸 昭和38年9月18日 . フライ級 タイでのリターン・マッチで原田を降した王座に返り咲いたポーンは、 再び「フライ級王国」日本の仇敵と成っていた。だが海老原の”カミソ リパンチ”はあっさりとその牙城を突き崩す。1ラウンド開始早々、挑 戦者の放った左ストレートで、王者はあっけなくダウン。一気に勝負 を掛けた海老原が、左右フックから再び左ストレートを顎に叩き込むと ポーンは仰向けに倒れ、暫くは起き上がれなかった。素晴らしい左 ストレートの切れ味に海老原の王座は当分安泰と思われた。 |
海老原博幸×ポーン・キングピッチ 昭和39年1月24日 .フライ級 現地タイのバンコクにて. 判定 15回 . ポーン ・キングピッチ 原田のリターンマッチの時を思い出して今度は海老原の強打でやれ ば絶対に同じ事はないだろう、と、誰しもが期待をしてテレビにかじり ついて見ました。この年は東京オリンピックでしたが、我が家には未だ テレビは無く隣の家まで行って見せて貰った。当然ビデオは無く私は ボクシングの試合は、会社の帰りに、電器屋のテレビを覗いて帰った 何だ、又原田と同じではないか。ベテランのポーンに上手くあしらわれ てあの強打も空振りでバンコクに行ったらKOでなければ勝てないと言 っていた通り地元の利を生かして又もやポーンに奪還されて仕舞う。 |
オラシオ・アカバロ×
海老原博幸 昭和41年7月15日 . フライ級 現地アルゼンチン . 判定 15回 . オラシオ・ アカバロ ポーンに折角手に入れたベルトを奪還され日本の軽量級のホープに 是非世界の頂点に居て貰いたいのが我々であった。海老原も試合毎 に拳を傷めて思う様な試合が出来ず、いらいらして居ると思うが・・・・ 偶々ポーンの時代が終わり、アカバロがチャンピオンに君臨していた。 待ちに待ったチャンスが廻って来たので現地まで行って試合をしたが 残念にもベルトを取る事が出来ずに帰国、翌年又アカバロに挑戦する オラシオ ・ アカバロ × 海老原博幸 昭和42年8月12日 . フライ級 現地アルゼンチン. 判定 15回 . オラシオ ・ アカバロ |
海老原博幸×ホセ・セベリノ 昭和44年3月30日 . WBA フライ級 北海道 ・ 札幌中島SC 王座決定戦 判定 15回 .海老原博幸 海老原が、5年ぶりで王者に帰ってきた。”カミソリ” と呼ばれる左 強打と、試合の度に骨折を繰り返しす左こぶし ハード・パンチャーと しての最大の矛盾に、海老原は苦しみ続けたボクサーである。5年 前、キングピッチを僅か1ラウンドでKOした時、彼の長期王座を予想 する者は多かった。が、海老原はリターン・マッチに敗れ、その後も 何度か王座を目前にしながら、”ガラス”の拳に泣かされる。ブラジル のファイター、セベリノとの王座決定戦は悲運の強打者に巡ってきた ラスト・チャンスだった。1ラウンドから、海老原は一方的に攻めまくる 動きの鈍いセベリノに、鋭いカウンターが小気味良く決まり、楽勝を 予想させた。ところが9ラウンド、又もや左手を痛めて仕舞う。しかし 海老原は歯を食いしばって右腕一本で戦い、悲願のタイトル奪回を 果たした。キングピッチをKOした後は平然としていた海老原も、此の 夜は流石に込み上げてくるものを押さえきれず、リング上で男泣きに 泣いた。 |
海老原博幸×バーナベ・ビラカンポ 昭和44年10月19日 .WBA フライ級 大阪 ・ 大阪体育館 . 判定 15回 .バーナベ・ビラカンポ 海老原が叉もや拳を痛め、初防衛に失敗した。サウスポー同士の対 戦だが、ファイティング・スタイルは正反対。フィリピンのビラカンポは、 低い姿勢から相手の懐に飛び込み、獰猛なインファイトで内臓を食い ちぎる。この戦法で、高山勝義ら日本の一線級を皆マットに沈めてい た、海老原はカウンター作戦に出たが忽ち挑戦者の乱打戦に引き摺 り込まれる。しかも、早い回に左肩と左拳を痛めた為、左腕はブロッ キングにも使えない。10回以降は挑戦者の一方的な試合と成り、王 者は何度もダウン寸前に追い込まれたが、気力で持ちこたえた。大 差判定で敗れた海老原は、「もう体がいうことをきかない」と、試合後 引退を発表する。レントゲンの検査の結果、左ばかりか右の拳も骨折 して居ることがわかり、にも拘わらずフル・ラウンドを戦い抜いた海老 原の姿勢に、ファンは感動した。 |
私も原田以上にこの強打者に期待をかけて常に応援をしてきたのだ しかし今日は大丈夫かと密かに気にしていました。この引退で三羽 烏の時代は終わって日本のボクシングは中量級の時代に入る。 |